でサラリーマンを例にとって、給与をもらっている人の
「収入」
「給与所得控除」
「控除額」
「課税対象額」
を見てきた。
注目すべきは源泉徴収票には
「課税対象額」という項目がないことだ。
所得−控除=課税対象額
課税対象額×税率=所得税額
この両方のキーワードになるのが課税対象額だが
この数字がはっきりと納税者にわかる仕組みにはなっていない。
そのために「いくら税金を支払っているのか」という意識が
なかなか根付かない。
では今度は自営業の人の場合の
「収入」と「所得」と「課税対象額」を見てみる。
「収入」は年間通しての売上金額である
「所得」は上記の「収入」から「経費」を
引いた金額のことをさす。
※サラリーマンの場合には「給与所得控除」として
国がいくらと決めているが、自営業の場合には
これがない。
※また自営業で青色申告をしている場合に限り
年間最大65万円の「青色申告特別控除」という
制度がある。
この「経費」の計上こそが節税の最大の肝であり
最も大事な部分であるが、サラリーマンが得る
「給与所得」の場合には裁量の余地が全くない。
自営業の場合には受け取るものが「事業所得」となり
ここに裁量の余地がある。
なお自営業者の場合にも
「収入」−「経費」(+青色申告特別控除)=「所得」の算式の後に
「所得」−「所得から差し引かれる金額(控除額)」=「課税対象額」
が来る。
両者を分かりやすく比較してみる
【サラリーマン】=「給与所得」
@収入(額面の金額)
A給与所得控除(一定の割合で決められている)
B所得(@−A)
C控除(社会保険料や配偶者など、法律で決められている)
D課税対象額(B−C)
【自営業者】=「事業所得」
@収入(売上げ)
A経費(裁量の余地がある)
B所得(@−A)
C控除(社会保険料や配偶者など、法律で決められている)
D課税対象額(C−D)
サラリーマンと自営業者の決定的な違いがわかる。
それはAの部分でサラリーマンには「給与所得控除」があるが
自営業者にはない。
一方サラリーマンの経費は「給与所得控除」に全て含められていて
自動的に計算されるのに対して、自営業の場合には経費を
どこまで計上するかが、本人の申告に任されている部分である。
この両者に共通するCの「控除額」を目一杯使い、
そして日本の税制の「総合課税」制度を利用して
節税を目指す。
●収入と所得と課税対象額の違い1
●収入と所得と課税対象額の違い3
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